本日ご紹介する新作の帯締めは、ぎをん齋藤が京都在住の伝統工芸士に特別に制作を依頼した「京くみひも」です。
「京くみひも」は平安貴族の美意識のもと、都であった京都で発展を遂げた組紐です。貴族文化に育まれ、現代まで受け継がれてきました。
雅な色柄、繊細な編み目、優美な光沢などの美しさもさることながら、伸縮性や結び目のほどけにくさといった実用性も兼ね備えています。
齋藤の格式高い袋帯に見合う帯締めの制作を検討していたところ、アトリエ近くにお住まいの伝統工芸士の方とのご縁があり、この度京都ならではのコラボレーションが実現しました。
齋藤の織帯に用いる厳選された本金糸と絹糸を使い、丁寧に組んでいただきました。
内側から外側へと糸が交互に入り組んでいる格式ある組み方に、2色の本金糸を贅沢に使いわけ、流水に菊花の流れる風情を表現しています。
本金の独特の輝きは、改まったお席にふさわしい気品があります。
今回、伝統工芸士の方が実際に組んでいる様子を撮らせていただきました。
組む際のポイントでもある、ヘラ打ちの力加減でしっかり芯のある紐に仕上げ、伸縮性を持たせます。
そうすることで着用の際にピッタリとやさしく身体に寄り添い、結び目もほどけません。
さらに、ぎゅっと締めて伸びた組み目も、自身の伸縮性でもとの長さにもどります。
このような高台と呼ばれる組台で組んでおります。
高台で組むと組み目の表面がよりなめらかになり、また、玉数を多く使うことで繊細な仕上がりになります。
断面がかまぼこ状にアーチを描いているのが良い組紐の特徴だとか。
使う方のことを想い、一組一組丁寧に組まれた京くみひも。
その美しさだけでなく、人にやさしく寄り添う京くみひもの真の魅力を、実際に身につけて感じていただきたいです。
組んでいる様子は動画でもご覧いただけます。こちらからどうぞ。